平成21年式のBMW。走行中にボンネットから煙が上がったとのことでお電話いただきました。幸いすぐ近くにトヨタのディーラーがあり、とりあえずそこに停めさせてもらっているとのこと。

すぐに引き取りに上がりました。
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実はこの車両、当社にて車検が終わって間もないため、状態を確認するまでは気が気でありません。

ディーラーのメカニックの話ではラジエターのアッパーホースが抜けているとのこと。
車検時にはラジエター廻りの水漏れがないかの点検は実施していますが問題ありませんでした。また、構造上簡単に抜けるようなものではありません。

ディーラーに到着して状態を確認すると、なるほど、ホースが抜けてます。
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上が新品、下が外したホースです。

国産車ではラジエターホースはホース単体の場合が多いのですが、輸入車は写真のように脱着用の樹脂部品がついている場合があります。
その樹脂部分とホースのつなぎ目がすっぽりと抜けてしまっています。

上の新品部品を見ればわかるようにそもそも脱着を想定されたつくりにはなっておらず
ステンレスのバンドもカシメタイプのものがついていました。
こんなところが抜けてしまってはたまったものではありません。

さらに作業を進めるうえで問題発生です。

このホースを取り外す作業をしていたところ、ラジエターの樹脂部がいとも簡単に割れてしまいました。
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特にBMWで多いのですが、水回りの樹脂が劣化して強度が低下し、少し力を加えただけで割れてしまいます。

ラジエターのアッパーホースを抜くのにはある程度の力がかかるので簡単にこのようなことになってしまいます。

さらにこうなるとラジエター本体の交換作業が必要となり、高額な費用が掛かってしまいます。しかし、交換しないわけにはいきません。

さて、ここで重要なのはお客様へのご説明です。

車検後すぐのトラブルであることと作業工程の中で別の部品交換が必要になったこと。

外した部品をお見せして部品の劣化によるトラブルであることや樹脂の劣化は過去の事例なども含めて丁寧にご説明します。

幸いH様にはご理解いただき作業を進めることができました。

実はこのような車検直後のトラブルや作業の中で別の作業や部品が必要になるケースは特に輸入車ではたまにあります。

もちろんそうならないように細心の注意を払って点検するのですが、今回のように目に見えない部分はどうしようもありません。また、センサー類なども電球のようにある時突然ダメになったりするので調べようがありません。

なぜ今なる!


っとこちらは思うのですがお客様は「車検したところなのに!」ということになりますし、その気持ちも理解できます。残念ながら最後までご理解いただけない時もあるのですが、私たちは誠心誠意やるしかありません。

今回のようなトラブルは事故につながりかねないので無事でよかったですが、お客様への説明能力とできるだけトラブルを未然に防ぐための点検整備を日々勉強しつつ、メーカーへの品質改善を願うばかりです。